オブる

たまには、覚えたての熱さで

2009-11-16 Mon 14:46:37

 「本文に新ゴって読み難くないですか?」「ロダンがすごく使いたくなること、ありますよね」。三十代の男が二人、仕事を覚えたてのような熱さで居酒屋の片隅で語る。
 しばらく会っていなかった元同僚から、突然の電話。会ったのは久しぶりだったけれど、懐かしむ間もなく、開口一番「仕事がつまんないですよ」。
 聞けば彼の職場には、彼も含めて三人のデザイナーがいて、だけれどもデザインの話をしても「はぁ、そうなんですか」と気のない返事ばかりなのだとか。愚痴だと思って聞いていた話は、いつのまにか冒頭のようなデザインについての話へ変わっていった。敢えて口にすることのなくなった、どのデザイナーが好きだとか、こんなデザインが理想だとか、そういった話の鬱憤が溜まっていたのか。ただ、自分も楽しんだ。きっと自分にも必要な話だったのだと思う。それを語れる友人の存在も、もちろん。



その時のつまみ

こうなったのは仕方ないのか

2009-11-09 Mon 19:34:49

社長が代わって会社が変わろうと、政権が代わって国が変わろうと、世の中から不条理や理不尽というものが消えることはない。貧すれば鈍するなのか、周辺からは不条理ともいえるプレゼンの勝敗のつき方、理不尽な接待おねだりをよく耳にする。不条理や理不尽の源をたどれば、組織の派閥や政治、個人の嫉妬や欲と、濁ったものばかりが見えてくる。清濁併せ呑むことが社会の通念だが、それにしても下品なことが増えている。とはいえ、きれいごとばかりも言っていられない。不条理や理不尽を飲むか飲まないか。あらかたの場合、飲むことによって無難な道を選ぶ。そして、こうなったのは仕方ないのだ、これが生きていくことなのだと自分をなだめるのだ。しかし、心の中にはわだかまりが残る。これで良かったのかと。道義上の正義が不義に負けることを、自ら証明してしまったことへの無念さは、他者にはわからなくても自分の心には刻まれる。悪い空気を喚起しなければ。

手打ちTRY

2009-11-02 Mon 15:55:33

実家の父から度々送って貰った手打ちうどん。これを食べているうちに蕎麦派の私もうどんラブに。礼文島での木彫り勤務を終え、札幌に立ち寄った父から手打ちうどんの作り方を教わりました。塩水と中力粉の微妙な比率で麺の質が変わるんですね。へ〜。混ぜて、こねて、寝かせ、こねて、延ばし、切る。教わりながら打ったうどんは、コシがありとても美味しかった。手打ち作業は全て嫁ですが。手打ち自体は難しくないようなので、時間を見て習得したいと思った食欲の秋・・・。ってもう冬ですか、そうですか。



あなたのお名前は?

2009-10-26 Mon 20:01:38

 ひとは何を基準にお茶を選んでいるんだろう。コンビニでふと思った。味なのかパッケージデザインなのか。
 私には、ネーミングでお茶を選んでいた時期があった。高校生のときのこと。クラスメートが、新発売の「生茶」を持ってきた。生の茶ってなんだ?生茶葉がどうしたこうした…。何だか知らんがうまそうだ。ひと口もらったら、甘くて苦味が少ない気がした。それまで、お茶といえば家の麦茶。ペットボトルのお茶を飲む習慣なんてほぼなかったが、ネーミングにすっかりノセられ、しばらく「生茶」にハマった。
 調べたわけではないけれど、「生茶」が登場してから、ペットボトルのお茶を飲むひとが増えた気がする。ネーミングが習慣までつくったんじゃないかとも思う。
 いまでは、私は味で選んでいる。「からだ巡茶」がいちばん好みだ。でも、“めぐりちゃ”って、パッと読めないんだよなあ。あまり売れてもいなさそうで、なくなっちゃうかも、と少し不安だ。名前で損していないかしら!?


そりゃ君、優しさだよ。

2009-10-19 Mon 19:49:24

自分の『デザイナー』の肩書きに、まだ「アシスタント」がついていた頃。東京と札幌に事務所を置く会社にいた僕は、東京から出張に来られたADとお酒を飲む機会があった。直接仕事をしたことはなかったが、一度じっくりお話を聞きたいと思っていた方だ。宴もたけなわ、酒も回って上機嫌のADにこんな質問をぶつけた。「デザインに一番大切なものって何ですか?」
今思い返すと赤面しそうな、若さと酒の勢いにまかせた言葉に、ホロ酔いのADは真剣な目に変わり、当時の自分には予想もつかない言葉を返してくれた。「そりゃ君、優しさだよ。」
ADはこう続ける。『デザインには必ず、手に取って使ってくれる人がいる。その人達のことを考えて、作り手として優しくできるかどうか。』だと。
技術ばかりを追い求めていた自分には、目からウロコの話。以来、自分にとって「良いデザイン」の基準は「優しいか、どうか」になった。。




見やすいとか、わかりやすい、の代表みたいな方達